ケータイ落第
文・ハセガワトモコ |
携帯電話は持っていない。一日を「普通電話」の近辺で暮らしているので必要ないのだ。
ただし、周囲には迷惑をかけているらしく「ねえ、お願いだから携帯持ってよ」としばしば言われる。出先で待ち合わせたい時や私の居場所を知りたい時、想像以上に不便らしい。
その不便さは説明されてもピンと来ない。「申し訳ないです」とひたすらあやまることにしている。 |
異国
(携帯された会話)
井上高稲
(内的作家) |
硝子張りの近未来都市。 |