人形小屋計画
文・水野裕子 |
別に頼まれたわけではないのだが、人形小屋をつくろうと思っている。母の実家がオオイケという人形屋で、そこに勝手に今の自分との深いルーツを感じるものだから、オオイケの古い人形を集めてみんなに見てもらおうというわけだ。まったく自分勝手でアバウトな構想だが、やる気と入場料二十円は決定的である。 |
◆私を泣かした中尾ミエ 文・稲本幸 |
◆「はじめてのおつかい」にうるうる 半年に一度ぐらいのTV番組「はじめてのおつかい」を見ては、目頭が熱くなってしまう。子供は日頃、親や周囲の人の行動をよく見ている。ませた言動や行動に笑えるし、子供独特の世界があってそれぞれの個性に感心させられてしまう。例えば入院する母親を送り一人で帰ってくる子供は、母親と別れ際「おだいじに」とペコリと頭を下げるのである。誰にも教えてもらっていないのに「おだいじに」だって………。また、弱視でいままで何もかも母親にしてもらっていた子がおつかいに出る。母親もつい手を貸したくなるのだが心を鬼にして買い物に行かせるのだ。側から見ればかわいそうにと思ってしまうが、将来その子が一人で生きていくには、いつかは突き放さなくてはいけない。そんな母親と不安でいっぱいの子供の気持を考えると涙なくては見られないのだ。面白さの中にもほろっとされられる「はじめてのおつかい」だ。 |