悔し涙がこぼれたら     文・水谷晴子
 


 「泣く」は、色々ありますよね。悔し涙、嬉し涙、悲し涙…。
 私は、「いつも元気だね。悩み事無いでしょう?」と言われる事が多々ありますが、家で一人で泣いている事があるって知ってるのかしらねぇ〜。  
 …と、泣くことはあっても人前ではあまり泣きません。泣いたところで何も始まらないという考えもあり、心を許せる人の前でしか泣けないのです。しかもいつも悔し涙ばかり。
 そんな私が今年、泣きました。公私共に全ての歯車が狂い、頑張っても頑張っても一向に報われず、目標も見失ってしまったのです。一日一食さえ喉を通らない日が続き、半透明になっている自分が情けなく悔しくて、誰にも相談する事が出来ませんでした。
 一人暮らしの私は、亡き父の仏壇に向かい話をしました。やっと心を許した瞬間、目から大粒の涙がボロボロと零れ落ちました。父はびっくりした事でしょう。涙を見せたことの無い私が、悔し涙を流しだしたのですから。 
 …数日後、驚いた事に、父が(本当に父が)私の悩みを解決してくれました。けれど、まだ回避されていない箇所があったため報告したところ、数時間後にまた解決してくれたのです。ここまで手助けしてもらえたのなら、あとは私の実力で名誉挽回!今はもとの生活以上に順調に事が運ばれるようになりました。
 今度は親孝行のためにも嬉し涙をながしたいですね。