六月の昼と夜 文・蒲生あつ子 |
自分が死んだら誰に連絡してもらうかリストを作っておかなければと思う。猫の口臭がひどいので獣医へ行かなければと思う。Oさんにメールで本の感想を送らなければと思う。午前三時。彼はきっと向こうの国で夕暮れの町を歩いていることだろう。灯りを消したバスルームでシャワーを浴びながら、千年先の夏を夢みる。水浸しの世界。 |
手縫いのアロハシャツ 文・水野裕子 |
手縫いでアロハシャツを作ってみた。ライト・オンで2900円のお気に入り金魚柄を買ったばかりだし、洋服を手縫いで作るなんてバカバカしいと思いつつ。時間をもてあましていたわけではないし、とくに明確な理由もなくなんとなく作り始めたのだが、うっかり没頭してしまい、余った布でおそろの帽子まで作ってしまった。 |