タケちゃんのアイデアノート

     子供のこと 文・三澤武彦


 

 いつの間にか3人の子持ちになっていた。ホントは女の子がほしかったが、男の子ばかり(涙)。でも、生まれてみればどの子もかわいい。二人目が生まれる時に、子供が増えたら愛情が半分になってしまうのかと心配した。長男に向けられていた愛情が二倍になるとは考えられなかった。でも、生まれてみると何のことはない、愛情が二層になった。フォトショップのレイヤーみたいなもんだ。子供は何人生まれても大丈夫なんだとわかった(嫁はいやがるけど)。
 三人いてそれぞれかわいいけど、まだ幼い分だけ三男坊に分がいい。上の二人もそれはわかっているようでやきもちも余り妬かない。
 先日、ベビー服の写真を撮る仕事があった。モデルに困ったのでウチの三男坊の写真をなにげに見せた。即刻ボツにされてしまった。傷つく父親。三男坊は冷静に見るとかなりぶーちゃんなのだ。我が子としてはとてもかわいいんだけどね。

 

  手は口ほどにものを言う 文・松永賢


 

 最近四、五年のことだけど時間をかけて絵を描くようになった。それ以前は衝動にまかせて一晩に何枚でもという感じだったが、今は小さなものでも一日に二、三枚がやっとのことで、一〇〇・二〇〇cm四方のものになると、一週間では完成しないときもある。ただ、それは径の同じ二つ円を四角い画面に構成していたのを、大きさの異なる円と三角を一〇〇個ずつ描くようにしたという違いにすぎない。作品の魅力とはあまり関係ないんじゃないかと感じつつ、なんでそんなことやってるのかなーなんて漫然と筆を動かしていると、すぐに失敗してしまう。なんの理由も意志もない行為によって不本意が形として定着してしまうと、それをふりはらって納得いくものにするのにスゲーエネルギーがいる。そんな時は学校でも行って基礎からやりたいなーなんて考える。そんな時はって―――、実は二日前のことだ。
 暑いし、がんばる。

(松永賢・小出寛之の「ふるえる展」が名古屋のガランスで開催。7月3日〜15日)